kubellパートナー、新サービス「タクシタ」を開始の画像1

BPaaSでバックオフィス業務を柔軟に代行、累計1,000社超の支援実績を拡張

 中小企業のバックオフィス業務を支援する新たなサービスが始動した。株式会社kubellパートナー(東京都港区、代表取締役社長・岡田亮一)は2025年7月8日、BPaaS(Business Process as a Service)型の業務代行サービス 「タクシタ」 の提供を開始した。経理・労務から採用、営業事務まで幅広い業務をオンラインで依頼でき、必要な分だけ利用できる点が特徴だ。累計1,000社以上に導入されてきた「Chatwork アシスタント」の知見を基盤に、新たな成長戦略を描く。

背景:中小企業に広がる“バックオフィスの限界”

 国内の中小・中堅企業では、限られた人員で経理・労務・総務などのバックオフィス業務をこなすケースが多い。働き方改革やDX推進が求められる一方で、人材不足や属人化リスクが課題として浮上している。

 ツール導入による効率化は進んできたものの、運用定着や改善設計まで手が回らない企業も少なくない。kubellパートナーは、こうした状況を踏まえ、業務プロセスそのものをサービス化するBPaaSモデルでの支援に活路を見出した。

サービス概要:「必要なときに、必要なだけ」

 「タクシタ」は、チャットやメールといった日常の連絡手段を通じて業務を依頼できるオンデマンド型のサービスだ。

 ・利用は月10時間から可能で、繁忙期・閑散期に応じて柔軟に稼働量を調整できる。
 ・経理・労務・採用・営業事務といった定型業務に加え、属人化しやすいタスクにも対応。
 ・単なる「代行」にとどまらず、業務設計や改善提案、システム導入支援も一体で提供。

サービス名には「大切な業務を安心して託してほしい」という思いが込められており、ロゴはハイタッチや鳩をモチーフに“信頼”を象徴している。

市場規模と成長戦略

 kubellグループは2023年に「Chatwork アシスタント」を立ち上げ、すでに1,000社超の支援実績を積み上げてきた。「タクシタ」はその延長線上にある事業で、チャットワーク以外のツール利用企業にも提供を広げる狙いがある。

 同社はBPaaS市場の潜在規模を約42兆円と推計。すでに顕在化している市場だけでも3,000億円規模が見込まれるとしており、今回のサービスはそのシェア拡大を狙ったものだ。

成功のカギとリスク

 「タクシタ」が市場で定着するためには、以下のポイントが重要となる。

 ・品質の均一化:多様な業務を一定レベルで遂行できる体制構築
 ・信頼の確立:機密情報を扱う業務ゆえ、安心感の醸成が必須
 ・拡張性:顧客数増加に対応するリソースと管理力の確保
 ・成果の可視化:単なる代行ではなく、改善効果を数値で示す仕組み

 一方で、非定型業務への対応や、業務ミス発生時の信用リスクなども懸念される。

中小企業DXの新しい選択肢に

 働き手不足とDX停滞に直面する中小企業にとって、「タクシタ」のようなBPaaS型サービスは有効な選択肢となり得る。業務を“託す”文化が根付くかどうかは今後の利用実績次第だが、kubellパートナーが「中小企業No.1のBPaaSカンパニー」を目指す上で、その第一歩を刻む試みといえるだろう。